厚生労働省がポリオワクチンを現行の生ワクチンから不活化ワクチンへと切り替える方針を出しました。
不活化ワクチン 9月から
ポリオの予防接種について、厚生労働省は23日、9月1日から現行の生ワクチンをやめ、病原性をなくした不活化ワクチンに切り替える方針を決めた。
生ワクチンはごくまれに、手足に麻痺が残るなどの副作用が報告されていた。
【ポリオ予防接種】
生ワクチンの接種を受けていない場合は不活化ワクチンの注射を4回、1回受けている場合は3回受けることになる。生は飲むタイプで、2回接種していた。
この日開かれた専門家による検討会で方針が了承された。
ポリオ単独のワクチンが9月に導入できるめどが立ち、必要な供給量も確保できると判断した。
ジフテリア、百日咳、破傷風の3種混合ワクチンに不活化ポリオのワクチンを加えた4種混合型は、11月頃から使えるようになる見通し。
それまでは単独型だけになる。
9月からの接種方法はこのほか、これまで個人輸入された不活化ワクチンの接種を独自に受けている場合は、不活化ワクチンの接種回数が計4回になるようにする。
これまでに3種混合ワクチンを1回以上受けた場合は当面、4種混合型ではなく、単独型の不活化ワクチンを使うこととした。
不活化ワクチンへの切り替えを待ち、生ワクチンの接種を控える傾向が出ている。これに対し、厚労省の検討会座長も勤める岡部信彦・川崎市衛生研究所長は「日本で約30値、自然発生のポリオがなかったのは9割以上の接種率で集団の目ね気が保たれていたからだ。接種対象の子は秋を待たずに今、接種して欲しい」と呼びかけている。
功労少尉夜と、昨秋の接種率は全国76.2%と前年同期化から約15ポイント減。首都圏では7割を下回るところが目立った。(朝日新聞より)
子宮頸がん予防のワクチンって?~原因ウイルスのうち6~7割の感染を防ぐ。
新しい子宮頸がんのワクチンの発売が認められることになりそうだ。子宮の入り口にできるがんを防ぐって聞いた。
子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を予防するワクチンだ。
どんなウイルス?
ヒトパピローマウイルスという。略称でHPVとも呼ばれる。130以上のタイプがあって、そのうち十数タイプが子宮頸がんの原因になるそうだ。
どうやって感染するの?
性交渉で感染するそうだ。日本時女性の8割は一生に一度は感染すると見られている。
ただし、多くの人は感染しても、自分の免疫がウイルスをやっつけてくれる。
ごく一部の人は感染が続いて、子宮の入り口の部分でがんになるんだ。
子宮頸がんは増えているの?
20~30代の若い女性で増えている。1年に約1万5千人が発症し、約3500人が亡くなっている。
多いのね。でも、ワクチンを打てば安心なの?
いや。子宮頸がんを起こすウイルスのうちワクチンで感染を防げるのは6~7割りだけなんだ。だから、検診も欠かせないよ。
新しいワクチンが効くのは?
今あるワクチンが防ぐ、子宮頸がんの原因となるウイルスに加えて、性器にいぼを起こすタイプのウイルスの感染も予防する。
ワクチンはどこでどんな人が打つといいの?
性交渉で感染するので、そうした経験前の若い年代に打つのが望ましいとされているよ。小児科や産婦人科で打つことが多い。間を空けて3回打つ。
費用はどれくらい?
中学生と高校1年の女子には、来春までは国や自治体から接種の費用に補助が出る。ただ、いくら出るかは自治体で違い、無料で打てるところから千円ほど自己負担が必要なところまである。(2011.06.28朝日新聞)
子宮の入り口の部分にできる子宮頸がんの検診は、「細胞診」が一般的だ。
国立がん研究センター検診評価研究室は、死亡率減少効果を示す相応な証拠があると、細胞診を推奨レベル「B」に位置づけている。
細長いブラシで子宮頚部の細胞を擦り取り、顕微鏡で形を観察する。細胞の形で、がんや前がん病変かどうかを判断する。早期の前がん病変の場合は、自然に消えることもあるので、経過観察する。
国の補助事業により、20、25、30、35、40歳の女性は無料で受けられる。
子宮頸がんワクチンでは防げないタイプの子宮頸がんウイルスもあるので、ワクチンを打った人も検診を受けた方がいい。
子宮本体にできる子宮体がんの検診も細胞診だが、子宮内部の粘膜の細胞を採取するのが難しく、検査制度が余り高く内地粉などから推奨されていない。
ただし、子宮体がんは早期でも症状が出ることが多い。「不正出血で見つかる子宮体がんの多くは早期。月経期以外の出血や、閉経後の出血など不正出血があったら、すぐに産婦人科を受診して検査を受けて欲しい」と京都大の小西郁生教授(産婦人科)は言う。
卵巣がんの検査は、膣(ちつ)から
世界に20年も遅れてヒブと肺炎球菌ワクチンが公費負担となったばかりですが、今年中にロタウイルスワクチン、来年度中に不活化ポリワクチンが導入されます。
◆ロタウイルス胃腸炎
乳幼児に多い「嘔吐下痢症」で最も重症なのは、ロタウイルスによる胃腸炎です。インフルエンザの流行が終わる頃から流行が始まります。
嘔吐や下痢がはげしく、重症の脱水を起こします。また、痙攣や脳症を起こすこともあります。
乳児は重症になりやすいので注意が必要です。
◆ロタウイルスワクチン
今年中に導入されますが、重症のロタウイルス胃腸炎の発祥を90%程度減らします。
【投与方法】
口から飲むシロップです。
生後6週以降に1回目、4週以上あけて2回目を内服します。初回は生後2カ月でヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンとの同時接種2回目は生後3ヶ月に三種混合ワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンとの同時接種が勧められます。
【接種価格】
しばらくは任意接種となるため1回に1万円程度かかります。
◆ポリオ
発熱、頭痛、嘔吐、下痢などの風邪や胃腸炎症状の後に、手や足に麻痺が起こります。
まれに、呼吸ができなくなり死亡することがあります。
日本では1950年代は毎年数千人、1960年には5千人以上が発症しパニックとなりましたが、旧ソ連からの生ワクチンの緊急輸入で翌年から事実上消えてしまいました。
【生ワクチン】
日本での経験からも非常に有効性が高いワクチンです。ただ、体内でワクチンウイルスが変異し、毎年2人ほど生ワクチン接種者や周りの人に麻痺が出ることがあります。
【不活化ワクチン】
海外の先進国では、より安全な不活化ポリオワクチンが普及しています。日本では単独の不活化ポリオワクチンと三種混合ワクチンと一緒になった4種混合ワクチンが来年度中に導入予定です。
このため数年後にはポリオの生ワクチンは廃止されるでしょう。
【投与方法】
三種混合ワクチンと同時接種で計4回の接種になります。
【接種価格】
単独ワクチンで1回5戦円程度ですが、早期に無料化されることが予想されます。
※ポリオワクチンの個人輸入
いくつかの病院で不活化ポリオワクチンが個人輸入で接種されています。
現状では、以下の3つの選択肢があります。
①個人輸入で接種する
②生ワクチンを接種する
③認可予定の不活化ワクチンを待つ
ただ、
①の場合は個人輸入なので副作用が生じたときの補償がない、
②ではごく稀な麻痺の可能性がある
③では待っている間にワクチンの接種率が下がり本当にポリオが流行する危険性がある
等の問題があります。
どれがベストなのかみんなが納得できる答えはありません。(月間リトルママ:ふかざわ小児科深澤満先生のお話より)
接種開始後、初めてヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの両方を接種した乳児が死亡しました。
熊本市は13日、市内の医療機関でインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの接種を3日に受けた2カ月の男児が、翌日に亡くなったと発表した。厚生労働省によると、同様の死亡は全国8例目で、一時見合わせていた両ワクチンの接種を4月に再開した後では初めてという。
熊本市感染症対策課によると、男児に持病はなく、死因は「乳幼児突然死症候群」の疑いが強いという。接種との因果関係は不明で、国で調査する。
厚労省では、両ワクチンの接種後に乳幼児が死亡する例が相次いだため3月に接種を見合わせていた。(2011.06.14朝日新聞)