歯ができる過程で顎が小さい場合、たまたま歯の芽が近い位置にあると、2本の歯が合体している状態(癒合歯)になる事があります。
2本の歯が寄り添ったようになる場合と、完全に合体して1本の大きな歯になる場合があります。
癒合歯(ゆごうし)と呼ばれるもので、珍しいものではないので心配ありません。
問題は、永久歯に生え変わるとき。
乳歯が癒合しているからといって、永久歯も同じようになるとは限りません。
永久歯が正常なサイズで生えてきた場合は、歯が生える場所が足りないため、歯並びが悪くなることがあります。
そういう場合は、かかりつけの歯医者さんに相談してください。(月間リトルママ9月20日号:Kid's歯科とび 下飛田道子院長のおはなしより)
「キシリトール」といえば、むし歯予防として認知度の高い天然の甘味料です。
お母さま方からも「むし歯予防のために積極的に採った方がいいですか?」と質問されることもしばしばです。今回のお話は、上手なキシリトールの使い方です。
キシリトールは砂糖に近い甘さなのに、カロリーは砂糖の4分の3です。食べ過ぎると、お腹が緩くなることがあるので、そのときは量を減らしてみてください。
砂糖などの糖分は、口の中でむし歯菌により分解されて、歯を溶かす「酸」が作られます。キシリトールは、むし歯菌に代謝されないため「酸」を作りません。つまり、砂糖のように甘いキシリトールですが、むし歯にはならない、というわけです。
50%以上キシリトール配合であれば、「キシリトール入り」と表示されます。言い換えれば残りは砂糖が入っていることになります。100%配合の商品を選ぶことも大切です。
ガムが噛めない幼児にはタブレットをお勧めします。タブレットは舐めるものなので、口の中に長く残りやすく、小さなお子様に与えるには良いと思います。
キシリトール効果については証明されていますが、過信しすぎてはいけません。「歯を磨く」、「フッ化物を使って予防する」、「おやつ・飲み物等の内容や回数に注意して、正しい食生活をする」「歯科医院での定期的な予防管理」などを前提としたうえで、上手に利用しましょう。
同じ食べるのなら、キシリトール入りのものを選ぶという考え方が適切だと考えます。
最近では、むし歯菌の母子感染リスクを下げるために、妊婦のキシリトール摂取を勧めているそうです。
妊娠中、間食が増え、甘いものを取りたくなるのに歯磨きはおっくうで…という妊婦さんには、キシリトールガムがお勧めです。
噛むことで、唾液の分泌が促進され口の中の清浄効果が高まりますし、カロリー控えめなのもうれしいですよね。Kid’s歯科とび 下飛田 道子先生のおはなし(リトルママより)
奥歯が生えそろいだす2~3才頃に発生しやすい虫歯は「咬合(こうごう)面カリエス」(咬合面カリエス)です。
奥歯の咬み合わせの溝は深くて凸凹しており、ハブラシも届きにくく汚れもたまりやすいところです。雨やキャラメル、ビスケットなど粘着性のあるものはこの溝に停滞し、歯を溶かし続けます。
おやつもだらだら与えるのはやめ、規則的にあげましょう。
お出かけのときなど、ついつい与えてしまいがちでしょうが、水やお茶などを最後に含ませるだけでも違いますよ。
奥歯の生え替わりは小学校高学年です。それまでしっかり使えるように、生活のリズムを整え、毛先の開いていないきれいな歯ブラシを使って仕上げ磨きをしてあげましょう。
かとう小児科 加藤陽子院長のおはなしより